8. 危険な食品添加物(1)
合成保存料・防カビ剤
食品添加物は食品衛生法で使用基準が定められている。ADI(Acceptable Daily Intake = 1日摂取許容量)で、人間が一生摂取しても健康に害を及ぼさないと考えられる量である。ラットやマウスを使って慢性毒性試験によって決められるもので、人間の場合は測定値の大抵1/100が使われている。
ここで、ラットとマウスの違いをご存知だろうか。どちらもネズミと思っておられる方もいるだろうが、実は微妙に異なる。
ラットはハツカネズミの一種で、マウスの方はドブネズミの一種である。どちらも実験用に品種改良されたネズミである。後者は前者に比べてかなり大きい。
医薬品の場合は、動物実験の後に長い時間をかけて臨床試験(実際の人間に投与し、それも健康な人と何らかの疾患を持った人に対する有意差も調べられる。)が実施される。しかし、食品添加物はそのようなことはない。
従い、危険性は潜んでいる。ネズミが安全だからヒトにも安全という理屈は成り立たないと highdy は考える。何故ならヒトの場合は実験用動物に比べ決められたものを食べているのではなく、彼等よりはるかに多い種々雑多なもの、それもいろんな添加物を含んだものを食べており、体内で複雑な化学反応を起こしていると考えられるからである。早い話、不適当な添加物の食べ合わせをしているのである。それが発がん物質を合成したり、潰瘍を起こすような状態を作りだすことになる。
ここでは、ネット上でもよく指摘されてる危険な保存料(防腐剤)、防カビ剤についてまとめてみることにする。
下記に示すものは、いずれも輸入の柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)、バナナ等に防腐剤、防カビ剤としてよく使われているものである。スーパーで買う場合に、その表示がされていないので安心できない。だからと言って、国産柑橘類にも農薬を使用しているので食べるときによく洗浄し、表皮を触った手で果肉に触れない注意が必要であろう。
オルト・フェニル・フェノール(OPP)
ADI:体重 1 kgあたり 1 mg
柑橘類に 10 ppm以下と定められている。
チアベンダゾール(TBZ)
ADI:体重 1 kgあたり0.3mg、柑橘類に10ppm以下、バナナに3ppm(果肉には0.4ppn)以下と定められている。
その他、クロルキシレール、パラクロロフェノールなど。
次に一般加工食品に最もよく使われている合成保存料(防腐剤)を紹介しよう。どれも実験動物における既知の障害が多数報告されているものである。
用途:魚肉練製品鯨肉製品、魚介乾製品、ハム、ソーセージ、ベーコン、 ジャム、ヨーグルト、ケチャップ、麺類、あん類、佃煮、味噌、醤油漬、 味噌漬など広範囲。
細菌やカビの増殖を抑えて腐敗を防ぐ。
ラットに対して、体重1kg当たり7.4g経口投与するとその半数が死亡する という。
ソルビン酸カリウムは、試験管内の実験では変異原生(遺伝子を傷つける毒性)のあることも解っている。染色体異常、肝臓肥大、成長抑制、肝・腎・精巣の重量減少などの障害もある。
ソルビン酸系は、ソーセージやハムなどの食品の色を安定化する代表的発 色剤として使う亜硝酸ナトリウムと一緒にとると、体のバランスが悪くなったり、発がん性物質になるとされている。
パラオキシ安息香酸
用途:清涼飲料、醤油、酢、果実ソース、シロップ、果実・果菜表皮
動物実験で染色体異常、肺炎、肝硬変、強い急性毒性。亜硝酸)と紫外線 下で反応して突然変異誘発作用がある物質をつくる。
類似のものでパラペン(比較的安全と言われてはいるが…)と言われるものが、ウエットティシュや化粧品など広範囲に使われている。
用途:醤油、清涼飲料(炭酸含まず)、キャビア、マーガリン、シロップなど。
ラットで染色体異常、過敏状態、尿失禁、けいれん。イヌでは運動失調、けいれんなど強い急性毒性を起こす。厚生労働省も発がん性を認めている。
安息香酸ナトリウムなどは、たまに新聞などで叩かれメーカーも言い訳をしている
用途:天然果汁、乾燥果汁、蒟蒻粉、かんぴょう、ゼラチン、果実酒、糖蜜、水飴、冷凍イカや海老のムキ身
ヒトでは胃腸の刺激、下痢、循環障害、変異原性、アレルギー 性、遺伝毒性、発がん性があるとされる。
ラットで多発性神経炎、骨髄萎縮、催奇形性、代謝障害が確認されてい
る。
以上、ざっと駆け足で主なものを見てきたが、現実問題としてアレルギー性のある方、あるいは抵抗力のない乳幼児に対してはこれ以外の添加物も健常者以上に悪い効果をもたらすと思われる。
我が紫陽花などは、結婚当初、桃やサクランボを食べると唇がしびれたり、舌や口腔内が痒くなって食べられなかった。大病を患い薬を長く服用していたが、そのお蔭で抵抗力がついたらしく最近はいつも恐る恐る食べているが大丈夫なようである。
highdy も、輸入のグレープフルーツを食べると、必ず2回に1度程度の割合で唇や舌がしびれる。きっと、農薬又は表皮に残る保存料ではないかと考えている。だから普段は自分では買わないが、知人から貰いことが多く勿体ないので食している。
ただ、必ずしもそうではなくナリンギン(グレープフルーツの苦味成分でポリフェノールの一種)が鋭い針状結晶になっているので、舌や唇を刺するのかも知れない。パイナップルに含まれるブロメリン(タンパク質分解酵素の一種)が、舌や唇の粘膜を刺激するのと同様である。だから、缶詰ではこの酵素が殺してある。
次回は、酸化防止剤について考えてみよう。