ま行のことば

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(まと)を射(い)

 「的を得(え)る」は誤り。「的を射る」とは、要点をうまく捉えている

  という意味で、同義語でない。

 「的を得る」は、道理にかなっているという意味で、慣用的に耳にする

  が、恐らく「当を得る正鵠を得る、正鵠を射る」との単なる混同でだ

  ろう。正鵠は「セイコウ」または「セイコウ」と読む。

 「広辞苑」をはじめとする、『大辞泉』、『大辞林』といった名だたる辞

  典にもこの的を得るは載っていない。

  ちなみに、「正鵠」は弓道の的の中心の黒星のことである。

 

(まれ)に見(み)

 「稀に見ぬ」は誤り。「稀に見る」は、めったにない。非常にめずらしい

  という意味である。

  文法的には、マ行上一段活用の動詞「稀に見る」の未然形である「稀に

  見」に、打消しの助動詞「ぬ」が付いた形だが、そもそも否定的な意味

  を持つ言葉に打消しの助動詞をつけるから間違いになる。

  「ないことはない=ある」、「稀ではない=いつもある」から容易に判

  る。

 

(まゆ)をひそめる

 「眉をしかめる」は誤り。「しかめる」のは顏である。ただ、不快なとき

  の表情として眉も歪んでしまい、歪みには「しかめる」の意味も含まれ

  ているため、慣用的に使われている。

  正しくは「ひそめる」だが、それぞれ議論もあり許容範囲かも?

  困ったときには、辞書で確認しよう。

 

 

(み)(い)りのいい仕事(しごと)

 「身入りのいい仕事」は当て字で誤り。「実入り」とは、穀物などが実を

  結ぶこと。また、その実の入り具合を言い、転じて儲けのよい、実質的

  な手取りのよいと解釈して使うようになったらしい。

  話し言葉では、判断できないが書き言葉では注意したい言葉である。

 

(み)かけ倒(だお)

 「見かけ倒れ」は誤り。ネット上に時々見かける誤用である。

  会話は成り立っていても、それは相手が善意に解釈してくれ、あえて細

  かな間違いを指摘してくれないだけである。

 

三日(みっか)に上(あ)げず

 「三日と空(あ)けず」は、助詞使い方の間違い。「毎日のように」と

  いう意味であるが、現実的に三日かどうかを厳密指しているわけではな

  い。従い、三日に上げずデートをしているとは言っても、二日に上げ

  ず、四日に上げず・・・のような言い方はしない。

 

みっともないことでした

 「みっともありませんでした」は誤り。同様に「みっとも悪い」、「みっ

  ともよくない」も誤用である。

  丁寧語にするには、「みっともないことでございました」とする。

  「みっともな」は、「つまらない」、「せつない」、「儚(はか)

  」などと同様に一つの形容詞であって、「みっともない」と二つの

  単語から成る言葉ではない。従い、みっともない以外の表現は使わ

  ないことである。

 

民俗芸能(みんぞくげいのう)

 「民族芸能」は誤り。意味はそのままでも理解でき話し言葉では通じる

  が、書くときに非常に多い間違い。「民族芸能」は極めて限定的な用法

  で、大部分は「民族」が使われている。

 

 

 無我夢中(むがむちゅう)

 「夢我夢中、無我霧中」は誤り。「無我夢中」とは、あることにすっかり

  心を奪われて、我を忘れてしまう様をいう。誤変換に注意。

 「無我」は本来仏教用語で、自分に捕らわれる心を超越した心。そこか

  ら自分を忘れるという意味になった。また、「夢中」は物事にすっかり

  熱中して、ほかのことを考えられない状態を指す

 

 

(め)にもの(を)(み)せてやる

 「目にもの(を)言わせてやる」も使われるが、それぞれ会話のシチュエ

  ーション(ここでは「局面」)によって使い分ける必要がある。使い方

  を誤ると、意味の解らない変な表現になってしまう。

  どちらも(を)は使わないのが普通。

  例えば、これまでさんざん酷(ひど)い目に遭わされたので、今日とい

  う今日は……の場合、「目にもの見せてやる」が正解。

  同義語にあるように「目にもの見せてやる」とは、酷(ひど)い目に遭

  わせる、思い知らせる」という意味がある。

  一方、あまり使われない慣用句でだが「目にもの言わせてやる」とは、

  目つきや目くばせで気持ちを伝えるという意味を持つ言葉である。

 

目端(めはし)が利(き)

 「目鼻が利く」という慣用句はないので完全な誤り。

  ただ、「目が利く」、「鼻が利く」としては、ものの良し悪しが判断で

  きるという意味で使われる。

 「目端が利く」とは、辞書にある意味を見てもらえば分るようにニュアン

  スが異なるもので、単なる善悪の判断ではなく、柔軟性のある、賢明な

  という意味を持つ。従い、用法を知らないと恥をかく使い方になる。

 

 

 

黙秘権(もくひけん)

 「黙否権」は間違った当て字。尋問などに拒否して黙り込んでしまうの

  で、「」を使ってしまいそうだが、試験にも出る慣用句で、誤変換に

  注意が必要。

  なお、黙秘権の行使には、そのメリットやデメリットもあるので、つい

  でに勉強しておくとよい。参考資料

 

(もと)めよ、さらば与(あた)えられん

 「求めよさらば開かれん」は誤りで、正しくは「叩け(よ)、さらば開か

  れん」(新約聖書マタイ福音書七章にあるイエスの言葉)である。

 「求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門を叩け、さら

  ば開かれん」は、上記福音書の訳書にある言葉で、「求めなさい。そう

  すれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたき

  なさい。そうすれば、開かれる」という意味で、何もせず待つのではな

  く自ら積極的に努力すれば、必ずよい結果が得られるという戒めの教え

  である。

  間違いやすい日本語も、自分で勉強をしなければ、正しい知識も身につ

  かないものである。

 

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行  ら行 わ行

 

 

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