は行のことば
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は
排気(はいき)・ 排(はい)ガス
「排(はい)気ガス」は、誤り。「気」と「ガス」が重複した完全な二重
表現。すっかり定着した(?)二重(重複)表現になっているため、間
違いに気づいている人も少ない。
なお、「排」の代わりに「廃」を用いることもあるが、棄てることを強
調した表現として許容されているようである。
敗者復活戦(はいしゃふっかつせん)
「歯医者復活戦」は、当て字の誤用。
古いワープロでは、よく目にした誤変換の定番だが、「ことば」や現場
の成り行きから意味を知っている人が間違うことはないだろう。
掃(は)き溜(だ)め
「吐はき溜だめ」(汚いなぁ、嫌ですね、そんな場所)は、誤り。
「掃き溜め」の意味をしっかり理解しよう。
ちなみに、「掃き溜めに鶴」とは、つまらないものの中に飛び抜けて優
れたものや美しいものが混じってている様の喩(たと)えとして使う。
爆笑(ばくしょう)した(私はテレビを見て爆笑した)
言葉の誤用。「爆笑」とは大勢の人が笑うこと。一人や二人が大笑いす
ることは爆笑とは言わない。類語辞典を見てみよう。
近年は、独りの場合も使われており、許容範囲と言えるかも知れない。
参考までに「失笑」は、こらえきれずに笑ってしまうことで、「あきれ
る」とか「嘲笑する」という意味で使うと誤りだが、これは中年以下の
人に多い。
白夜(はくや)・ 百夜(ひゃくや)
「白夜(びゃくや)・百夜(びゃくや)」どちらも「びゃくや」と読むの
誤りではないが、夜にならない「白夜」なのか、日が出ない「百夜」な
のか耳では区別できない。NHK放送文化研究所では、「びゃくや」を標
準にしている。それに百夜は一般に使われない。
ちなみに「百夜通い」は、「ももよがよい」と読み、エピソードも面白
い。
腹(はら・おなか)を抱(かか)えて笑う
「綣(へそ)を抱えて笑う」という人がいるが誤り。ヘソは抱えられな
いから。
腸(はらわた)が煮(に)えくり返(かえ)る
「腹(はら)が煮えくり返る」は誤り。人前での読み方のに注意。
「腸」には「こころ、性根」という精神的な意味があり、「根性」は、そ
の人が持っている単なる(基本的な)性質そのもの、「性根」(しょう
ね)は、その人が持っている性質の源となっているもの、根源(ここ
ろ)を強調した言い方と考えてよい。類語辞典参照。
波瀾万丈(はらんばんじょう)
「波乱万丈」は新聞が考案した代用表記で、誤りとは言えないが、本来の
意味を知って使うことが望ましい言葉である。
代用表記(NHK資料)、ウイキペディアが参考になるかも知れない。
犯罪(はんざい)を犯(おか)す
「罪を犯す」のが「犯罪」なので、「犯罪を犯す」は二重表現になる。
ただ、「犯罪」と「罪」は違うという考え方もあり、間違いではないと
いう見方もできる。
怪しい使い方はやめて「罪を犯す」、「犯罪に手を染める」と言い回し
を変えた方が正しくスッキリする。
万全(ばんぜん)の策(さく)
「万善の策、万前の策」は誤り。読み方を知らないでもっと間違えた「漫
然の策」と書く人もいるが、最悪の間違い。
斑点(はんてん)
「班点」は誤り。うっかり書いてしまって、字が似ているので気づかない
こともある。しかし、「斑点」は、ところどころに存在するもの、まだ
らを意味し、グループを意味する「班」ではないので注意が必要。
万雷(ばんらい)の拍手(はくしゅ)
「万来の拍手」は誤り。確かに大勢の人であるから「万来」でもよさそう
だが、この「万雷」は大きな音を指しており、人の数のことではない。
但し、「千客万来」のときは、正しい用法である。
ひ
被害(ひがい)を被(こう)むる
上記の「犯罪を犯す」と同様に、二重表現。「害を被る」、「被害に遭
う」が表現としては正しい。
人(ひと)を駆(か)り集(あつ)める
「人を狩り集める」は誤り。人食(喰)い人種ではないので、人を狩って
食べ物にしてはいけない。獲物を捕らえるために追いたてる(狩る)こ
とから許容されるという考え方もあるが、本来は「駆り立てる」という
ことに由来する言葉である。
火蓋(ひぶた)が切(き)られる
「火蓋(ひぶた)が切って落される」は誤り。
火蓋は火縄銃の点火口を覆う安全装置で、それを切って弾に点火して撃
つことから「合戦の火蓋を切る」のように、ものごとの始めに使われて
いる。
しかし、「落とされる」は余分で、「幕を落とす」との混用と思われる
誤用で、「幕を落とす」のは物事の終わりを意味する。参考文献
百戦(ひゃくせん)錬磨(れんま)
「百千錬磨」、百選錬磨」は当て字で誤り、また「練磨」を使うのも誤
り。ややこしいが、鍛錬や錬磨のために、同じことを繰り返し練習する
のである。
標高(ひょうこう)
「標高100mのビル」と、テレビなどで耳にする建物の高さを表現するの
は誤り。標高とは、海面からの高さ、山の高さをいう。
豹変(ひょうへん)
理由は判らないが、現在は間違った意味の方が一般的になりつつある。
教育現場で教えていないのだろうか?
正しい意味は、突然悟ったように立派な振る舞いや心構えになること
で、現在は、態度が一変して狂暴、攻撃的になることに使わていること
が多い。語源由来辞典を参照。
貧(ひん)すれば鈍(どん)する
「貧すれば貪(どん)する」は誤り。時折見かける表現だが、貧と貪が似
ているからか、あるいは「貧しくなると貪欲(どんよく)になる」とい
う考え方から来たものか。こちらが参考になる。
ふ
風光明媚(ふうこうめいび)
「風光明美」は誤り?全くの間違いとも言えないが、昔、使用漢字の削減
を目的に代用表記として推奨されていたようで、ネット検索すでは「明
媚」が一般的で四字熟語クイズの定番と言ってよい。
昔、流行ったメディアの使う代用漢字がかなり生き残っているようだ。
風物詩(ふうぶつし)
「風物誌」は誤り。風物詩とは、ある季節特有の現象(例えば、気象・動
植物など自然、それに伴うもの)をいい、その季節をより意識的にに特
徴づけることができる、物・事柄のことである。
雑誌によく掲載されているからと、うっかり書く人もいる。
無精髭・不精髭(ぶしょうひげ)
「武将髭」は誤り。武将のように力強さを感じさせる髭は、誤った解釈。
正しくは手入れをされていない髭、伸ばし放題の髭のことで、耳で聴い
ただけでは、意味と文字を知らないと恥をかく。
汚い野武士のような髭なら間違ってはないが、武将のような立派な髭の
意味で使うと間違いである。
物議(ぶつぎ)を醸(かも)す
「物議を呼ぶ」は誤り。「醸す」とはは「生じさせる」ことをいう。
「呼ぶ」でも、なんとなく意味は通じるので許容範囲という考え方もない
わけではないが、試験の修正問題によく出る。
振(ふ)りの客(きゃく)
「フリーの客」は誤り。「風(ふり)の客」とも表現されるが、馴染みで
ない突然の客ことを意味する言葉で、一見(この場合、「いっけん」で
はなく、「いちげん」と読む)や予約なしの客を意味する。
この意味から誤用の「フリー」が生まれたらしいが、本来の意味を知ら
ないためにと勝手に造語をしてしまったのかも?
へ
返事(へんじ)をする・言葉を返(かえ)す
「返事を返す」は、朝の朝食と同じで、明らかな二重表現。
ほ
望外(ぼうがい)の幸(しあわ)せ
「法外の幸せ」は誤り。「望外の」とは、自分が望んでいたことよりよい
こと、思いのほかという意味で、「法外」とは、法に外れること、程度
や限度を超えていることなどで、用法を誤らないことである。
読みを誤ると、パソコンの漢字変換でも一発で出ない。
奉加帳(ほうがちょう)
「奉賀(が)帳」は誤り。「奉加帳」(読みにも注意、「が」が正解)
は、寺社への寄進の内容と寄進者を記した帳面のこと。
同類用法の銀行などでいう「奉加帳方式」は馴染みがあり、ご存知の方
も多いだろう。「奉賀」(ほうが)は、めでたいときに使う言葉で意味
が全く異なる。
ほおずき
「ほうずき」は誤り。耳で聴くと同じように聞こえるが、ナス科の植物で
あるホオズキ(鬼灯)であり、「ほおずき」と正しく打つと変換でき
る。逆に「方頭巾」(ほうずきん)は、「う」で入力して変換される。