な行のことば
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な
内向的(ないこうてき)
類語辞書に見られるように、一般的には本来とは違う「内気」や偏見の
入った「ネクラ」、「引っ込み思案」の意味で使っている。が、正し
い意味は、「関心が自分や身の回りにしかない」、「物事を目先でし
か見ない」、「傾向がある」である。即ち、社交的あるなしに拘ら
ず、あくまで考え方が自分中心であり、判断する際に周囲や世論を考
えない性分であることを意味する。
有名な心理学者ユングの「内向的」の参考資料がよく説明している。
無(な)い袖(そで)は振(ふ)れない
「無い袖はしぼれない」は誤り。故事ことわざ辞典にあるように、「無い
ものはどうしようもない」という言葉のたとえに由来する言葉である。
なおざり
類語辞書に示すように二通りの意味合いがあり、用法を間違えないことで
ある。また、「おざなり」と混同しやすいので注意が必要。何かをしたと
きは、「おざなり」で、何もしないときは、「なおざり」である。
鳴(な)かず飛(と)ばず
泣かず飛ばず」は誤り。意味は類語辞書にあるように、売れない芸人など
を鳴きも飛びもしない鳥に例えた言葉であるが、元々は史記に出てくる荘
王が家臣の人物を見定めの故事に由来する言葉で「鳥」の鳴き声を指すも
ので人が泣くことではない。
情(なさ)けは人(ひと)のためならず
本来の意味と全く違う意味の「情けをかけるのは、その人のために良くな
い」として使われていることが多いことわざで、自己責任などと同様、安
易に他人に関わらない方がよいという口実にもなっている。
しかし、故事ことわざ辞典にあるように、「他人に情けをかけておけば、
その人のためならず(だけではなく)、やがてその報いが巡りめぐって自
分のところに返ってくるくるものだ」というのが正しい意味である。
なし崩(くず)し
「物事が曖昧なまま進んでいくこと」というのは解釈の誤り。「物事を少
しずつかたづけていくこと」。あるいは、「徐々に物事を行うこと」で、
曖昧なまま」という意味は含まれていない。
なしの(礫)つぶて
たまに見かける「無しのつぶて」という表現は誤り。礫(つぶて)とは投
げた小石のことで、連絡しても返信のないことをいう。「梨の…」と表現
されることもあるが、単なる語呂合わせの当て字で意味はない。
捺印(なついん)してください
「捺印を押してください」は、二重表現であり誤り。「押印」という表現
もあるが、「捺印」は正しくは署名捺印(しょめいなついん)と記名押印
(きめいおういん)と区別して使用する。
余談だが、自分で直接名前を筆記用具で記すこと、つまりサイン(署名)
をいい、記名とは自分の名前のゴム印を押したり、予め書類などに印刷し
ておいたりする署名以外の方法で自分の名前を記すことをいう。
捺印、押印はいずれも印章を押すことだが、署名には捺印が、記名には押
印がそれぞれ対応して用いられる。
法的な証拠能力としては、直筆でサインする署名の方が証拠能力として高
く、証拠としての有効性は署名捺印が最も高い。続いて、署名だけ、記名
押印、記名だけの順とされる。
(お帰り)になりました
「なられました」は誤り。「お・・・なる」と「なられる」が重なった敬
語の二重表現になっている。
正しい表現としては、「お帰りになりました」又は「帰られました」と代
えるべきである。同様に「おいでになられました」は誤りで、「おいでに
なりました」が正しい。
なります
もう一つの「なり」について、レストランやスーパーのレジで、「こちら
がご注文のサービスランチになります」とか、「お待たせしました、こち
らがお釣りとレシートになります」である。これらはどちらも間違い。
「なります」は、何かが変化する場合に使う言葉であって、敬語で説明し
たいのならば「○○でございます」とはっきり言うべきである。
上記のお・・・なる」の場合と違い、「なります」は敬語でも何でもない
間違った用法である。
なるほどですね!
「なるほど、そうですね!」が短縮されたものと考えることができる。特
に間違っているとは思えそうにないが、実は「なるほど」は目上の人に対
して使う言葉ではない。
代わりの言葉は「おっしゃる通りです」が適当だろう。なお、それも「お
っしゃられる通り」では一見丁寧そうだが、「おっしゃる」= 尊敬語 +
「れる」=尊敬の助動詞であり二重敬語で誤りになる。では、「申されま
した通りです」なら…(こんな面倒な言い方をする人もいないだろうが) 「申す」は謙譲語である。従いこれに、「れる」という尊敬の助動詞をつ
けたところで、尊敬語になるわけではない。
に
二(に)の句(く)が継(つ)げない
「二の句が告げない」は誤り。口頭表現では判らないが、文章を記載する
際に注意が必要。意味は、類語辞典にある通りである。
「二の句が出ない」は、慣用的に使われていて完全な誤りとまでは言えな
いが、正しい表現ではない。
ぬ
濡(ぬ)れ手(て)で粟(あわ)
「濡れ手で泡」は誤り。また「濡れ手に粟」も誤り。
意味は、故事ことわざ辞典に示されるように、濡れた手で粟をつかむと
たくさんの粟粒がくっついてくることから、何の苦労もしないで多くの
利益を得ることに由来するものである。詳しくは、参考資料に。
ね
願(ねが)わくは
「願わくば」は誤り。「願わくは」は「願う」の文語形「願ふ」を名詞化
した言葉「ねがわく」に「は」が付いた言葉で、「願うことは」、「望
むことは」という意味である。
「願わくば」の形も混在し、完全な誤りとまでは言えないが、本来の意
味では間違い。ただ、「願わくは」には「願いが叶うならば」の意味も
内在する。
従い、「願わくは論争は避けたい」の場合、「是非」のように積極的な
意味ではなく、むしろ、「できることなら」のやや弱い意味に近いと覚
えておこう。
熱(ねつ)に浮(う)かされる
「熱にうなされる」は誤り。「熱に浮かされる」には類語辞書に示すよう
に二通りの意味があり、 ① 病気で高熱のためにうわごとを言うこと、すなわち「うなされる」という意味をもつ。② 前後を忘れて夢中になる(のぼせ上がる)こと。
寝惚け(ねぼけ)眼(まなこ)で
「寝むけまなこ」、「眠気まなこ」、「寝ぼけなまこ」は誤り。
類語辞書に見られるように、意識がはっきりとしていないさまをいう。
まして「なまこ」(海鼠)は、海の生物だから全く関係がない。
夜中の突然の電話に寝惚け眼で応対、朝になって何を喋ったか記憶が定
かでない」などのように使う。
念頭(ねんとう)に置(お)く
よく聞かれる「念頭に入れる」は誤り。予め意見や主張を検討の対象と
みなして事案に含めること。あるいは、常に考えているさまを意味する
言葉。同義語・類語を参照。