か行のことば
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か
怪気炎(かいきえん)
「快気炎」は誤り。文字通り怪しく感じるほどの盛んな意気を意味する。
外交辞令(がいこうじれい)
手書きでは、うっかり「外交辞礼」と書きそうだが、これは誤り。
辞書にない言葉。社交辞令も外交辞令になってしまうと危険で、喜ばれ
るどころか顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまう。
垣間(かいま)見(み)る
「垣間聞く」は誤り。「垣間見」「垣間見る」で一つのことば。
類語も多くある。
顔色(かおいろ)を窺(うかが)う
「顔を窺う」は誤り。相手のご機嫌をうかがうという意味で、健康状態
としての顔を見ているわけではでない。
書(か)き入(い)れどき
「掻き入れどき」は誤り。ニュアンスではいかにも正しい感じがするが、
「書き入れどき」は商売で忙しい時を意味しており、収穫作業で忙しい
意味ではない。
各位(かくい)
「各位殿」は誤り。使い方にあるように、「殿」は間違ってもつけては
いけない。
(実は、恥ずかしながら highdy もかなり昔に間違って用いていたことがあります。)
隠(かく)れ蓑(かくれみの)の術(じゅつ)
「隠れ身の術」は誤り。忍術のひとつ。変わり身の術など。「隠れ蓑」と
は、身につけると姿が消えるという想像上の蓑のことで、人の目をあざ
むくために使う鬼や天狗の持ち物とされる。表向きの名目などをいう。
掛け替え(かけがえ)
「掛け甲斐(がい)」は誤り。「――のない」人を失ったなどのように使
う。類語も多い。
傍(かたわ)ら痛(いた)し
「片腹(かたはら)痛し」は、「かた(わ)はら」を「片腹」と誤ってで
きた語らしいが、誤り。意味は笑いたくなるほどばかばかしいさまを表
すときに使う。「ヘソが茶を沸かす」などは類語である。
恰好(かっこう)良い/格好良い
「かっこいい」は誤り。理由は、「恰」はちょうどの意味である。
「格」は書き換え字(当て字)。現代の若者の言葉は極めて乱れており、
「かっこわるい」ではなく「恰好(かっこう)悪い」、「かっこつけ」で
はなく「恰好付け」が正しい。
過渡的(かとてき)
「過度(かど)的」は誤り。「過渡的」を「かどてき」と読むのも誤り。
ある状態から新しい状態へ移り変わる途中にある様子を意味する。
「――期」や「――現象」のように用いる。
彼女(かのじょ)に首(くび)ったけ(丈)
「彼女に首っ引き」は誤り。会話でよく使われるが一般の辞書にはないこ
とが多い。「首ったけ(丈)」の語源から判るように、英語では He's crazy about that girl. のように「crazy」という表現を使う。
「首っ引き」は「岡っ引き」とも違う。
彼(かれ)を知(し)り己(おのれ)を知(し)れば
百戦(ひゃくせん)殆(あや)うからず
「敵を知り己を知れば百戦殆からず」は誤り。「知彼知己、百戦不殆」
という孫子の兵法に由来する言葉である。
勘定(かんじょう)をお願(ねが)いします
(俗語的に「おあいそ」を…)
「おあいそを願いします」は誤り。語源にあるように大変な間違いで、
本来店の人が用いる言葉で、客が使うと悪い方の意味になる。
堪忍袋(かんにんぶくろ)
「勘忍袋」の「勘」は誤り。こちらはピンとくる「カン」のことで、感じ
いや 漢字をうっかり間違えないようにしっかり使うことが大切なので
こっそり覚えておこう。
乾布(かんぷ)摩擦(まさつ)
「寒風(かんぷう)摩擦」は誤り。皮膚健康法の一つでもある。乾いた手
拭(てぬぐ)いなどで体をこすること。手ぬぐいとタオルでは、材質は
同じでも織の違いがある。
完璧(かんぺき)
「完壁」は誤り。漢字にご注意!「かべ」ではない。「完璧」は傷のない
玉のこと。「璧」は難しいので新聞でも「完ぺき」と表現されているこ
とが多い。日本語変換ではどちらも出てくる。
き
危機一髪(ききいっぱつ)
「危機一発」は誤り。類語や同義語。
絆(きずな)が強(つよ)い
「絆が深い」は誤り。本来、「絆」とは、動物をつなぎとめる綱(=も
の)のことだから深いのはおかしい。「絆を強める」というように用い
る。
狐(きつね)につままれる
「狐に包(つつ)まれる」は誤り。狐にばかされる。また、ものごとの意
外な成り行きに訳が分からなくなり、茫然とすること。
「つままれる」は、今の時代は徐々に死語になりつつあるが、騙されるこ
とを意味する。
金(かね)の草鞋(わらじ)で尋(たず)ねる、探(さが)す
「金(わらじきん)の…」は誤り。多くの人々が間違っている。
故事ことわざ辞典にもあるように、いくら歩いても擦り切れることのな
い金属(鉄製など)草鞋のことを意味しており、金(きん=ゴールド)
のことではない。
寄付(きふ)
「寄付」と「募金」の違いを理解すること。「財産を募金した」「募金箱
に募金した」等の誤った表現を見受けるが、金銭などを贈るのが「寄
付」。逆に寄付金を募(つの)ることを「募金」という。
器物損壊罪(きぶつそんかいざい)
「器物損害罪」は誤り。刑法第261条に定める罪で、判例・通説は「物の
効用を失わせる行為」をいい、食器を割って物理的に使えなくする行為
のみならず、食器にオシッコをかける行為も器物損壊になる。
肝(きも)に銘(めい)じる
「肝に命じる」は誤り。肝(心)に刻みつけるの意味に用いる。
脚光(きゃっこう)を浴(あ)びる
「脚光を集める」は用法の誤り。意味は、世間からの注目されること。
混同しやすい言葉に「注目を集める」(これは正しい用法)がある。
意味は同じでも使い方が異なる。
玉石(ぎょくせき)混淆(こんこう)
「玉石混合(こんごう)」や「玉石混交(こんこう)」はどちらも誤り。
辞書によって「淆」は「交」と同じとしており、「混交」は必ずしも誤
りとは言えない。ただ、怪しいと思ったら使わないのが無難である。
中国の「抱朴子(ほうぼくし:道教の教説書)・尚博に見られる「真偽
顛倒、玉石混淆」に由来する言葉(故事ことわざ辞典参照)で、すぐれ
たものとつまらないものとが入り混(ま)じって区別がないこと。
議論白熱(ぎろんはくねつ)
「議論伯仲」は誤り。「伯仲」では、優劣のつけにくいことである。
「白熱」では意味が通じない。「議論は白熱状態で採決しても賛否伯仲に
なるだろう」なら正しい表現になる。
極(きわ)め付(つ)き
「極め付け」は慣用ではたまに使われているが厳密な意味では誤り。
由来・語源辞典にあるように善悪両方に使われるが、本来は確かなとい
う意味で用いられていた。
く
苦渋(くじゅう)を甞(なめ)る
「苦渋を味わう」、「苦汁なめる」、ともいうが、「苦汁を味わう」は誤
り。「苦渋」とは苦しみ悩むこと。「苦汁」はPCの日本語変換には出
ないかも知れないが苦い経験のことをいう。
常識的にまずいものを「味わう?」というのは、表現がよくない。
口車(くちぐるま)に乗(の)る
「口車を合あわせる」は誤り。「口裏(くちうら)を合わせる」と混同さ
れやすい。「乗るのは車、裏でこっそり会ってキス(口を合わせる)
するのが口裏」と覚えておこう。
口(くち)は禍(わざわ)いの門(もん)
「口は禍わざわいのもと」は誤り。中国の馮道(ふうどう)の舌詩(ぜつ
し)「口是禍之門、舌是斬身刀」に由来する言葉でこちらが参考になる
だろう。
首(くび)を傾(かし)げる
「頭を傾(かし)げる」は誤り。「小首(こくび)を…」ということもあ
る。疑問・不審のある様子をすることで首をひねるさまをいう。
草木(くさき)も眠(ねむ)る丑三(うしみ)つ時(どき)
「草木もなびく丑三つ時」は誤り。丑三」(うしみつ)とは、十二時辰の
丑の刻(1時~3時)を4分し、その第3に相当する時、すなわち、午前
2時頃から午前2時30分頃までをいい、魔物が跳梁するのにふさわしい
時であると考えられていたのだろう。
口先三寸(くちさきさんずん)? 舌先三寸(したさきさんずん)
ことわざ百科にもあるように、「口先三寸(くちさきさんずん)」と
間違いやすい。
首実検(くびじっけん)
「首実験」は誤り。犯罪者の目撃者が面通しで顔の検認するように、古く
は戦(いくさ)で討ち取った武将の生首による本人確認をすることをい
う。
け
毛(け)嫌(ぎら)いする
「気嫌いする」は誤り。気持ち的には判るが、単純な字の間違いにご注
意。語源は諸説あって不明と言った方が正しいかも?。
結果(けっか)オーライ
「結果往来」は誤り。オーライとは「all right(よろしい)」という英語
に由来する言葉。いい加減な当て字は使わないこと。
決死(けっし)の覚悟(かくご)
「必死の覚悟」は誤り。確かに覚悟は立派だが、必ず死ぬのでは自殺と
同じ。未遂になることもあるが…。
喧喧諤諤(けんけん)囂囂(ごうごう)
「喧喧諤諤(けんけんがくがく)」は誤り。「侃侃諤諤(かんかんがくが
く)」と混同されやすい。多くの人が銘銘勝手に発言してやかましい
さま。こんなエピソードもある。現在は字も難しいため、文章ではあまり
用いられないようである。
なまじ学識があるフリをした言葉使いで大恥をかくこともあるから、詳
しくない場合は気を付けた方がよいと思われる。
言質(げんち)をとる
「言質(げんしつ)をとる」は読み間違え。後々の証拠となる言葉を得
ておくことをいう。参考までに「げんしつをとる」では、出てこない。
「げんち」に変更してみると判る。
原状回復(げんじょうかいふく)
「現状回復」は誤り。事態を元の状態に戻すことを意味しており、意味
的には理解できるが非常に多い間違い。Wordで漢字変換をして確定
キーを押すと「同音語誤り」の波線が表示される筈。
けんもほろろ
「剣もほろろ」は当て字且つ誤り。つっけんどんなようすを表すが、
「けん」も「ほろろ」は雉(きじ)の鳴き声との解説をよく見かける。
語源由来辞典にも面白い解説がある。羽をばたつかせながらの鳴き声
は、何度どう聞いても「ほろろ」には聞こえない。
こ
功(こう)を奏(そう)する
「効を奏する」は誤り。「功」とは労力をつくしてことを成し遂げた結果
のことである。従い、結果が出ることを意味する。
「功」に勲(いさお=手柄のこと)という意味もあり、「功を焦って
墓穴を掘る」のように使ったり、「功を奏した」を手柄を上げたな
どと解釈することもある。
厚顔無恥(こうがんむち)
「厚顔無知」は誤り。確かにそのような人は「無知」とも言えるが、本来
の意味は厚かましく恥知らずの行為をさす。
公算(こうさん)が大(おお)きい
「公算が強い」は誤り。公算とはそもそも「皮算用(かわざんにょう)」
によるものであり数字である。従って、数字は強さではなく大きさで表
現するものである。
口頭試問(こうとうしもん)
「口答試問」は誤り。昔は面接試験のことを「口頭試問」ということもあった。徐々に死語になりつつある。辞書によっては出てこないこともある。
御教示(ごきょうじ)下(くだ)さい
「御教授(ごきょうじゅ)下さい」は誤り。「教示」とは教え示すこと。
「教授」とは学問的知識を教え授けること、受ける側が「授ける」を使う
のでは矛盾する。
ちなみに、「享受(きょうじゅ)」は受ける側が使う言葉ではあるもの
を受け、自分のものとすること。
黒白(こくびゃく)をつける
「白黒(しろくろ)つける」は本来誤りであるが、日本語表現辞典にも出
ているように、現代は「しろくろ」も認知されてきて、一般的な言葉に
なりつつある。ただ、囲碁から出た言葉は、殆どが「勝ち負け」のよう
に正(プラス)側の言葉が前で「黒白」とは言わない。
他の語源の言葉は「陰陽師(おんみょうじ)」のごとく、必ずしもこの
法則には従わない。
古式(こしき)床(ゆか)しく
「古式豊(ゆた)かに」は誤り。「床(ゆか)しく」は、何となく懐かし
さを感じる、上品で優れているという意味で、古(い様)式がたっぷり
で…ということではない。アナウンサーに多い間違いである。
(highdy
も若い頃は、学識不足で聞いても<間違っていることに気づかなかったの
で>何も感じなかったが…)
ご清聴(せいちょう)ありがとうございました
「ご静聴…」は誤り。清聴」は他人が自分の話を聴いてくれることを敬っ
ていう言葉。多くの場合、口語なので間違っていても、気付かれる心配
はない!!
御多分(ごたぶん)に漏(も)れず
「御多聞(ごたぶん)に漏れず」は誤り。「多分」とは大部分のことを指
す。辞書には「多聞(たもん)」はあっても「多聞(たぶん)」は無い
筈。
木っ端微塵(こっぱみじん)
「木っ葉微塵(こっぱみじん)」は誤り。激しい交通事故や爆発事故など
の場合に使われるが、「こっぱ」は木の葉ではなく、木の削りくずのこ
とである。
固定(こてい)観念(かんねん)
「固定概念(がいねん)」は誤り。「歓念」「勧念」も誤り。それが正し
いと一度思い込んでしまって変えることのできない考えのことをいう。
「固定概念」は旧来からの見方・考え方のことで意味が全く異なる。
四字熟語にもない筈だが、多くの人が「観念」のつもりで「概念」を使
っているケースが非常に多い。
言葉(ことば)を濁(にご)す
「口を濁す」は誤り。類語・同義語。
コミュニケーション
「コミニュケーション」は誤り。Communication のことだが、英語の
得意な方でも「コミニケーション」と間違って話すことは多い。
腓(こむら)返(がえ)り
「コブラ返り」は誤り。「腓」とは、ふくらはぎのことで「こむら返り」
は高齢者、スポーツマンを問わず、立ち仕事の多い健常者でも起こる。
筋肉の一種の痙攣(けいれん)である。冬の寝起きなどによく起こる。
参考資料
木漏(こもれ)日(び)/木洩れ陽
「零(こぼれ)日(び)」は誤り。木の葉の間からもれてさす日の光。
「零れる」は水に関係するものに使われる言葉で光には使わない。
孤立無援(こりつむえん)
「孤立無縁」は誤り。四面楚歌状態、万事休する状態を指す。
「縁」(えん=つながりの意)の有無の話ではなく、助けの有無を指して
いる言葉である。
碁(ご)を打(う)つ
「碁を指さす」は誤り。指すのは将棋。香車(=将棋の槍のこと)で
(槍の刺すと漢字は違うが…)「さす」と覚えよう。
今昔(こんじゃく)の感(かん)
「昔日(せきじつ)の感」は誤り。昔の事を思い起こして、あまりの変わ
りように驚いて起こる感慨のこと。「今昔の感が極(きわま)り、涙が
溢れ…」のように使う。