あ行のことば
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あ
愛嬌(あいきょう)を振(ふ)り撒(ま)く
「愛想あいそうを振り撒く」は誤り。
愛(あい)くるしい
「愛苦しい」は誤り。使い分けを知るとよい。可愛いのに「苦しい」のは
困ってしまう。
愛想(あいそう)づかし
「愛想ずかし」は誤り。「愛想」と「づかし」のように二語に分けられ
る言葉の場合は、「づかし」が正しい用法。
相(あい)槌(づち)を打(う)つ
「合い槌を打つ」は誤り。鍛冶屋の師匠と弟子が互いに(相方)向き合っ
て互いに槌を打ちあったことからできた言葉とされている。
合(あ)いの手(て)を入(い)れる
「合いの手を打つ」は誤り。
「合の手、間の手、相の手」は、会話や物事の進行の間に、別の人が挟む
言葉・物事のこと。
「相槌あいづちを打つ」と混同されやすいが、意味は全く異なる。
青息吐息(あおいきといき)
「青色吐息」は誤り。
困難な状況におかれたときにつく、ため息のことをいう。
あからさま
「明からさま」の表記は当て字で誤り。類語
あくどい
「悪どい」 は誤り。「くどい」に「あ」がついた言葉で意味が若干異な
る。同義語・類語を参照。
明(あか)るみに出(で)る
「明るみになる」は誤り。正しい意味はこちら。
「明あきらかになる」と混同されやすい。
悪逆(あくぎゃく)無道(むどう)
「悪逆非道」は誤り。正しい意味はこちら。
「極悪(ごくあく)非道(ひどう)」と間違いやすい。
味(あじ)わわせる
「味あわせる」は誤り。正しい日本語にはない。
「味わう」や「味わい」を使って表現する。
足(あし)を掬(す)くう
「足元(下)を掬う」は誤り。相手の隙につけ入って、失敗や敗北に導く
こと。「元」、「下(もと)」は不要である。
中(あた)らずと雖(い)えども遠(とお)からず
「当たらずとも遠からず」は、出典から考えると、いい加減な当て字で誤
りであることが判る。こちらを参照。
後(あと)へも先(さき)へも行(い)かぬ
「後へも先へも引けぬ」は誤り。進退きわまることをいう。
アボカド
「アボガド」と表現されることもあるが、誤り。
アボカド(英: avocado、学名:Persea americana)とは、クスノキ
科ワニナシ属の常緑高木である。別名、ワニナシ(鰐梨)で一般的には
その果実を指すことが多い。
荒療治(あらりょうじ)
「荒治療」は誤り。正しい意味は、こちら。
蟻(あり)のはい出(で)る隙(すき)もない
「蟻(あり)の入り込む隙(すき)もない」は誤り。
暗礁(あんしょう)に乗(の)り上(あ)げる
「デッドロックに乗り上げる」は誤り。deadlock=交渉などの行き詰まり
のこと。lockをrock(岩)と間違えた解釈から使われている。
つまり、岩に乗り上げる=「行き詰まり」と思われている。
い
良(い)い事(こと)尽(づく)め
「良い事だらけ」は誤り。
「だらけ」は、一般的に好ましくない感じのものに付けて用いる。
怒(いかり)心頭(しんとう)に発(はっ)する
「怒り心頭に達(たっ)する」は誤りで、辞書にはない言葉。
心の底から激しく怒ることを意味する。
囲碁(いご)を打(う)つ
「囲碁を指す」は誤り。囲碁は打つ。将棋は指す。
異体字(いたいじ)
「異字体(いじたい)」は誤り。漢字や仮名の標準的な字体以外のもの。
異体(いたい)文字(もじ)のことをいう。
一念(いちねん)発起(ほっき)
「一念奮起(ふんき)」は誤り。
心を入れ替えて、ある事を成し遂げようと決心するこという。
一蓮托生(いちれんたくしょう)
「一連托生」は誤り。本来の意義は、同じ心で念仏を唱えれば、同じ蓮
(はす)の上に生まれ変わるという仏教の輪廻転生の教えから出た言葉
である。
一見(いっけん)の価値(かち)あり
「必見の価値あり」は誤り。類語
一触即発(いっしょくそくはつ)
「一即触発」は誤り。
一緒(いっしょ)くた
「一色単」と表現する人がいるが、誤り。
「一緒」は本来「一所」と同じことを意味している。
一寸先(いっすんさき)は闇(やみ)
「一瞬(いっしゅん)先は闇」は誤り。類語。
一世(いっせ)一代(いちだい)
「一生一代」は誤り。
いっその事(こと)
「一層(いっそう)のこと」は誤り。思い切りを表すことばである。
類語。
井(い)の中(なか)の蛙(かわず)
「池の中の蛙」は誤り。故事ことわざ辞典
弥(いや)が上(うえ)にも
「否が応にも」は誤り。「嫌が応でも」も誤り。「弥が上にも」とは、
ますます、という意味であるから全く異なる。
「否(いや)が応(おう)でも」と混同されやすいが「否が応でも」
とは、否でも応でもの意、つまり、無理矢理の意味。
言(い)わずもがな
「言わずもかな」は誤り。言う必要のないこと。むしろ言わない方がよい
こと。言うまでもないこと。強く望み願う意を表す終助詞「もがな」
をつけたもので、一般の文章にはあまり使われないと思われる。
引導(いんどう)を渡(わた)す
「印籠(いんろう)を渡す」は誤り。相手に教え諭(さと)すように言う
こと。また、最終的な宣告をする場合などに用いる。
う
上(うえ)には上(うえ)がある
「上には上がいる」は誤り。エピソード 福沢諭吉にもつながるかも?
上(うえ)を下(した)への大騒(おおさわ)ぎ
「上へ下への大騒ぎ」は誤り。
動(うご)く歩道(ほどう)
「歩く歩道」は誤り。全国各地にあるが、朝の朝食と同じミスである。
後(うし)ろ盾(たて)
「後ろ立て」は誤り。戦(いくさ)の「盾と矛」に由来しており、衝立
(ついたて)=間仕切りに由来したものではない。語源。
鬱陶(うっとう)しい
「うっとおしい」は誤り。
鵜(う)の目 鷹(たか)の目(め)
「魚の目鷹の目」は誤り。鋭いまなざしを表現したもので、鵜が魚を追い
鷹が獲物をさがすときの目のように、ものを探し出そうとするさま。
紆余曲折(うよきょくせつ)
「うよう曲折」は誤り。「羽陽曲折」も間違った当て字で誤り。
物事が複雑で厄介な様さまを表し、事態や事情が込み入っていて、進む
方向や結論がころころと変わることをいう。
恨(うら)み骨髄(こつずい)に徹(てっ)する
「恨み骨髄に達する」は誤り。非常に強いうらみの形容として使う。
中国の「史記」に見られることばである。
うろ覚(おぼ)え
「うる覚え」は誤り。空(そら)覚えとは全く異なる。
上前(うわまえ)をはねる
「上前をかすめる」は誤り。本来の意義は、差額を取って利する行為をい
う。ショベルか何かではね飛ばすイメージから間違った言葉が生まれた
のかも知れない。
薀蓄(うんちく)を傾(かたむ)ける
「薀蓄を垂たれる」は誤り。
「説教を垂れる」と混同されやすいが、こちらは正しい表現。参考資料。
え
餌(えさ)をやる/餌を与える
「餌をあげる」は誤り。「花に水をやる、与える」のようにつかう。
「あげる」は本来謙譲語であり、世の中には自分のペットの方が自分より
偉い状態の憐れな方も多い。
枝(えだ)も撓(たわ)わ
「実みもたわわ」は誤り。「撓む」は書けても、「撓わわ」は変換にも出
ないことが多く「たわわ」と書くことが多い。枝がしなるさまを表す。
「枝もたわわに実る」という表現はよく使われる。
枝が……撓(たわ)む=撓(しな)る=撓(しな)う 全て同じ意味。
笑(え)みがこぼれる
「笑顔がこぼれる」は誤り。顔は水ではないから、こぼれたら大変。
襟(えり)を正(ただ)す
「襟元えりもとを正す」は誤り。「襟元」だと正しい意味と違って、着付
けを直す(正す)ことになってしまう。
延延(えんえん)と
「永遠(えいえん)と」は誤り。少し感じは似ているが間違い。
「延々と語る」のように用いられる。類語はこちらから。
縁(えん)は異(い)なもの(味なもの)
「縁は奇なもの」は誤り。男女の縁は常識では考えられない不思議で、お
もしろいものであるという意味で使われる。「味なもの」の代わりに、
「乙なもの」という方もおられるが、辞書には無い表現である。
お
負(お)いかねます
「負いかねません」は誤り。「かねる」とは、否定で、「…しようとして
もできない、…することがむずかしい」といった意味に使われる。
参考までに「しかねる」
大(おお)見得(みえ)をきる
「大見栄をきる」は誤り。逆引き 故事 ことわざ 慣用句にもあるように、
歌舞伎俳優の大げさな所作のことで、「見栄を張る」のとは全く意味が
大舞台(おおぶたい)
「だいぶたい」と読むのは誤り。本来は「おおぶたい」と読む。意味は
その昔、「おおぶたい」は、芸能人の晴れの舞台を指し、「だいぶた
い」は設備や造りの立派な舞台を意味していた。しかし現在は、どちら
でもよいという意見と分かれている。ネット上で検索するといろいろな
意見があり、それぞれ一理ある。NHKの例のようにはっきり分けている
ところもあれば、民法のようにそれぞれいい加減で区分が明確でない局
もある。
押(お)しも押(お)されもせぬ
「押しも押されぬ」は誤り。このことばでは、類語辞典でも一致する見出
し語は見つからない。
鬼(おに)も十八、番茶(ばんちゃ)も出花(でばな)
「娘十八番茶も出花」は誤り。醜いとされている鬼でさえもも年頃になれ
ば美しく見え、番茶であっても入れたばかりのときにはよい香りがする
ことからできた言葉で、本来女性を元にした言葉ではない。
覚束無(おぼつかな)い
「おぼつかぬ」は誤り。元々「覚束無い」は当て字であり好ましくない。
「おぼつかない」で一つの語で、はっきりしないことをいう。
汚名(おめい)返上(へんじょう)
「汚名挽回」は誤り。「名誉挽回」と混同されやすいが、これは正しい。
「挽回」とは、失ったものをとり返すことであり、名誉や利権などを回復
する場合は正しい用法になる。
汚名(おめい)を雪(すす)ぐ/そそぐ
「汚名を晴らす」は、一般的には誤りとされることが多いが、諸説があり
現代は必ずしも間違いとは言えないようである。このような説もある。
「汚名を濯(すす)ぐ」という表現もある。このような場合は、他の言葉
に置き換えて表現し、使わないことが無難である。
思(おも)いも寄(よ)らない
「思いもつかない」は誤り。類語
「思い付かない」や「考えもつかない」と混同されやすいが、想像できな
い、現実離れの結果を表すものであるから、「発想」のことではない。
御役(おやく)御免(ごめん)
「御役目おやくめ御免」は誤り。正しい意味は雇用そのもののことを指し
ており、単に「役目」(職責)のことではない。
親不孝(おやふこう)
「親不幸」は誤り。親孝行の反意語であり、「親の幸福」の反対を意味し
たものではない。
恩(おん)に着(き)る
「恩を着る」は誤り。「恩」は着物ではない。「恩に着る」は感謝の表現
である。