薬について

 先日、大学で「くすり(薬)のできるまで」という講座を受講した。必修科目ではないが仕事がら私の仕事は何事も広く浅く知識を持たないと務まらない業務であったし、薬品製造の機械や工場の開発・設計・製作・施工に携わってもいたことから、興味があったので受講してみた。自分の所掌範囲とは全く別の臨床研究に関することが多く、薬として認可されるまでと販売されてからに関するいろんな過程を中心とした内容だったが、薬学分野では日本でも著名な先生の話で大いに勉強になった。

世の中の主婦の井戸端会議的な会話では、子供やご主人、親戚の話、ご近所の噂話や愚痴が多くて…という話をよく聞く。仕事を持たなかったり、家庭外活動のない方は話題がないのだろう。社会で活動している若い人だって同じことは言える。趣味・娯楽の話に花は咲いても、知的な会話をしない人が多いと、いうと世の皆様方から大いにお叱りを受けるだろう。でも、聞く側の立場で考えてもらえば解ると思うが、他人の子供の成績やご主人の愚痴を聞いても全く面白くない。不愉快になるだけである。誰しも共通の話題を持つことは難しい、雑談も娯楽の一部でウップンの晴らし場であることも事実である。もっとも、話の成り行きで不愉快な話材が出ることはあるが、その程度のことは気に掛ける人もいないだろう。

と、いう訳(前置きが長い highdy 得意?の冗長文章)で、私は医師でも薬剤師でもないが今日は薬について少々講釈をしてみたい。

 

(逆に読めば、効用が判る!)

日本には約1000社に及ぶ製薬会社があり、小さいものまで含めると2000社とも言われる。薬と化粧品は全く同様の製造工程・設備で生産される。その違いは、香料を含むか含まないかによると思って間違いない。ここでは薬だけの話するが、本来薬は毒物であり、細菌、ウイルスと同じように体外異物である。その意味で一歩間違えば、大変なリスクを背負うことになる。

自然界に存在する毒物を病気の治療の補助剤として用いて、効果があれば「薬」なければ副作用を呈する「毒」ということになる。

毒物のいろいろな作用(効用)は、ある症状の改善には効いても、別の人体を害する薬物アレルギー症状などを呈することもあり、紙一重の関係にある。ひと口にアレルギーと言っても、アレルギーにはいろいろあり必ずしも薬物だけではないのは周知の通り。

例を挙げると、ある人の高血圧改善の薬を別の人が服用すると、とても眠気を誘うことがある。つまり、副作用である。そこでその副作用を逆手にとって睡眠薬として処方されることもある。もっと現実的な例では、解熱剤として有名な小児用バファリンは血液の抗凝固作用があり、精神内科でよく使われるバイアスピリンに似た効用を持ち、大人(特に老人)の脳卒中防止に効果的である。このように薬は各個人の持つ体質によっても効き目が異なるものである。だから医者はある病気に対する一般的な処方薬で症状が改善されない場合、いろいろと薬を代えてその患者に合ったものを探して処方する。

薬は使わない方がよい

いろいろな理由で使いたくないのは万人共通の願いだろう。とはいうものの、病気の症状によっては日常生活に支障をきたすような重症の場合、副作用を覚悟の上で適度に使うことも有効である。

体外異物に対しては体の中の免疫機能が抗体をつくり人体の防御をはかる。従いどんな薬も常用すると効き目が減少する。手術の際に麻酔が効かない人はこの類が多い。一方日頃薬を飲まない方がたまに飲むとよく効くのはこのためである。

基本的に一部を除き薬は胃では消化されず、消化の準備だけ腸で吸収されるようにつくってある。薬によっては胃を痛めるのでそのための薬も併せて処方されることもある。すると、肝臓の解毒作用にますます負荷がかかる。最終的に人体では毒物を主に水に溶融する形に加工し、体外に排出するようになっており、その中枢機能が肝臓や腎臓である。

胃で吸収される代表的なものにアルコール類とカフェインがある。アルコールの場合、短時間に多量の摂取となると肝臓の処理能力が間に合わず、血液中に溢れ出てしまってそれが脳や神経を麻痺させいろいろな障害を発症する。またアルコールの長期大量摂取は、肝機能→肝硬変→肝臓がんのお決まりのコースが100%保障(?)されていると言ってもよい。

何でも程々がカンジン肝・腎に注意!)である。

 

<<続く>>

実は、上記の文章の3倍近くの原稿を書いていたが、パソコンのブラウザ(IE9)に常駐させているソフト「Babylon 9」(多国語翻訳ソフトの一種)のバグにより3度も消えてしまった。一度に書いて3回の連載にしようと思ったのに、書き直す時間も無くなってきた。

書き直す度に文章が推敲されて良くなるが、いい加減に頭に来た!ので、機会を改めることにした。 最後は、昨日のボヤキ(政界を愚痴る)の理由につながることになっていたのだが、そろそろ期末試験の準備も本格的にしなくてはならないので…。

 

[Back]  [Blog Top]  [Next]

 

[ホームページを見る]    [買い物をする]

 

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    みつば (土曜日, 30 6月 2012 23:54)

    短大の時薬学の先生が薬は毒でもある。と言われていました。なぜかこの言葉がいまだ忘れられません。・・・で私は処方されても自分勝手にすぐに飲むことを止めてしまう悪い患者?です。・・・が患者様にはきちんと飲むように言っているもう一人の私がいます。今 盛んに使うようにいわれているジェネリックは本当に信用出来る薬なんでしょうか?ほとんどジェネリックに変わってきていてなにが元の薬だったのかさっぱりわからなくなりそうです。成分名(一般名)で処方すると点数が加算されますがこれもまたどうかと思うのですが・・・。間違いの元になるような気がしてなりません。 

  • #2

    Highdy (日曜日, 01 7月 2012 00:31)

    みつばさん

    こんな深夜にコメントを有難うございます。

    ジェネリック(Generic Drug=後発医薬品)は先発医薬品に比べて安いです。何故か? 
    それは特許権が切れた(ロイヤリティ不要、且つ同じ有効成分や製造法)技術を使用して、同じ用法・用量で服用可能な同じ薬効のものを造るからです。

    そして、医師の処方は何処の会社の何ではなく、有効成分が大切なのであってそれを一般名称(Genric Name)で表すのです。それは同じ薬効であっても会社によって呼び名が違うので、薬剤師が特別に取り寄せなくても手近かな相当品を選択・提供できるようにするためです。

    だから、患者側から医師にお願いして、お金がかかるので安価なジェネリックはありませんか?と依頼することも可能です。
    ただ、(これは後編に書いてあったのですが…)、日本では安定供給の観点から採用されるのが比較的に遅い問題があります。特に外国のジェネリックとなると、余計にその問題が懸念されます。

    効き目の点では、しっかり臨床研究された製品なので全く問題はありません。確かに薬剤師でない限り、一般の方は成分名だけでは判りづらいですね。

  • #3

    SEM (日曜日, 01 7月 2012 16:31)

    カナダで病気になったとき薬を飲みました。日本人には強いです。翌日半分にしてももらった経験があります。薬は必ず副作用ありますから、売薬は注意が必要です。

  • #4

    Highdy (日曜日, 01 7月 2012 16:43)

    SEMさん

    いつもコメント有難うございます。

    外国で病気になると、国によって表現感覚も異なり微妙なニュアンスが伝えられなくて困ることがあるでしょうね。その国の言語が駆使できたとしても、日本とは違います。
    最近は先進国ならどこでも、日本語で対応可能な救急体制が整っていますので、予め調べておくことができます。

    特に初めての市販薬では大変危険を伴います。
    自分で購入する初めての場合、副作用を警戒して効き目を多少犠牲にしても、少なめに服用する位の注意は必要かも知れません。