今年三度目の温泉旅行

 3月に自宅に帰ってから3度目の温泉泊旅行になる。

外出は数多くしているが、泊りは少なく日帰りが多い。今回は私のご先祖(信州上田の武士)がいたという上田城址、以前訪れた信州の松代、小布施を再訪問、新しく渋温泉、地獄谷野猿公苑、志賀高原道路経由、草津温泉に立ち寄って帰宅するコースである。

小布施では、北斎館や栗の小径(これらは前回既に歩いて見ているが…)を廻る人力車に乗ってみた。いまは木製車輪ではなくゴムタイヤなので、結構乗り心地は良い。

渋温泉の宿は何と言っても、「文化財の建築と源泉かけ流しの八つの風呂で日本情緒を巡る宿」と言われる「金具屋」である。(下の写真)夜のライトアップも美しいが、国の文化財を2件有する。


写真に見えているのはその一つで木造4階建ての建物、その裏の山手側にはもう一つの大広間(下の写真)がある。

 150畳の大広間の床の間(反対は右の舞台)
 150畳の大広間の床の間(反対は右の舞台)
      九代目が観光客に説明
      九代目が観光客に説明

現在は創業後八代目だが、若い九代目が観光客に宿の歴史や建物に関して説明をして下さる。自家用源泉を多数所有し、館内には8つの種類(構造も泉質も異なる内湯)の温泉がある。さらに、温泉街に散在する9つの外湯も無料で利用可能。フロントは上のような座敷の「帳場」になっている。

「ロビー」と称するところ(右の)写真にも旧式の数種類の電話機、一風変わったソファなど調度品も目を楽しませてくれる。

各部屋はひと部屋毎に1軒の家という感覚で造作されており、入り口、軒屋根の構造まですべて異なる。家並み間の通路に代わる廊下もそれぞれ趣向が凝らされ、百名近い宮大工が腕を振るったことがよく判る。階段の手摺の柱、廊下、壁の明り取りに水車の軸や歯車が利用してある。館内を撮影して歩くだけでも価値のある宿で、以下にその一部を紹介する。凝った造りに昔のベンガラ壁がよく似合う。特に4階部分は建築基準法では現在は4階以上は建築禁止(但し、古い建物に新法は適用されない)になっているが、きちんと消防の許可も取って営業できていることも素晴らしいことである。

いろんなところに使われている照明具も素晴らしい。何種類もの凝った傘の形状がある。昔を偲ばせるそれぞれ趣のある懐かしいものばかり。青い傘ランプ(右下の写真)が並ぶ下には、湯治客のための洗面場なのか長い流しがあるが、無造作に置いてある多数の洗面器は銅板製である。すぐそばに多数あるブリキの湯たんぽも懐かしい。


明らかに上級のお客様が泊まると思われる部屋の前の廊下などでは、長さ15m(継ぎ目無し)ものの幅広のケヤキの板が何枚も惜しげもなく使われている。私たちが泊まった部屋も10畳か12畳(床の間、金庫置き場を含まず)を挟んで4.5~6畳の入口側の部屋と囲炉裏付きの寛ぎの間があり、別に3畳程度の洗面・冷蔵庫スペース、さらにトイレや玄関スペースがあった。(下のスライドショーを参照)

部屋に何気なく置いてある菓子盆もいいが、茶殻入れも銅の打ち出し細工のものである。

 さて、宿を出て車で5分程走ると地獄谷の野猿公苑に到着。山道を登ること約15分で日本ザルが温泉に入る風景が見られる。寒い時期には沢山の猿が温泉を満喫しているが、当日はかなり暖かったこともあり、猿の数は物凄く入浴している数は少なかった。

  観光客の足元にも寄ってくる
  観光客の足元にも寄ってくる

今の時期は赤ちゃんザルが多く、とても可愛いしぐさがが見られる。

    ホーキで遊ぶ子ザル
    ホーキで遊ぶ子ザル

野猿公苑を後にし、国道292号線で志賀高原ルートで帰路に向かう。冬期間は5mも6mもの積雪があり通行止めmにされることでも有名である。途中何ケ所も景色を見るために一時停止した。春スキーを楽しむ人々も多く見られた。

山桜も満開になっている。冬には黄金色になる落葉(カラ)松の濃い緑がとてもきれいである。日本国道最高地点(2,172m)もこのルートにある。(左下の写真)最後に草津温泉でのんびり過ごして帰路に。高崎より一般道で帰ろうとしたが大変な渋滞に巻き込まれ、30分の時間ロスをしたところで急遽Uターン、高速に乗り換えて帰宅した。

今回は半分は以前行ったことのある場所で密な予定も組んでいないので、気楽な時間に追われない一泊2日の旅行だった。最後の草津温泉は25年振り位の再訪問。我が紫陽花なんぞは、前の週にも友達同士4人で訪れたばかりだが、見所・買い所が寄りたいと言い私も同行した。天候にも恵まれ良い旅の思い出ができた。

これで暫くは学期末試験が終わるまでは旅行もお預けになりそうである。

        草津の湯畑周辺は、昔に比べてきれいに整備されていた。
        草津の湯畑周辺は、昔に比べてきれいに整備されていた。

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コメント: 2
  • #1

    森男 (土曜日, 26 5月 2012 15:00)

    木造の四階建てがあるんですね。初めてです。木造三階建ては珍しいと言うので石巻へ泊りに行ったことがあります。3.11の津波で無くなったでしょうね。

  • #2

    Highdy (土曜日, 26 5月 2012 15:31)

    そうですね、3階建ては国内に結構あり、私も箱根の富士屋などに泊まったこともあります。
    4階建てで営業しているのは、ここだけですね。