花見旅行

　昔、現役時代は５月の大型連休を利用してよく旅行をしていたが、親父の介護が始まってからはその時間が取りづらかった。昨年暮れに親父を看取って、今年は何年か振りに花見旅行に行くことができた。 高速を走りながら遅い花見を楽しんだ。出発時刻が予定より１時間早かったためか、4,000円近い高速通行料金が約半額になり、思わずニッコリ良い旅の始まりである。

出かける数日前は、日・月は関東地方は「雨」、一部は暴風雨になるかも？との予想。しかし、長年「天気男」の私は構うことなく計画を強行！　当たり～～！！　当日(5/15)は薄曇り。翌日は晴れ、のち薄曇り時々小雨。それも、車中やお土産店や食事をしている間のみ小雨がパラパラ、長靴など雨具を完璧に用意していたのに傘すら使う機会がなかった。　初日に五色沼をトレッキングする予定であったが、遊歩道の入口は左上の写真のように一部遊歩道の板部分が見え歩けるところもあるが、先に進むと雪で埋もれて見えない状態。（右下写真）

うっかり、足を踏み外すと季節はずれの泥水浴になってしまう。　ビジターセンターの話では、今年は雪解けがかなり遅れてそうである。そもそも近くの観光協会の前でも、ご覧の通り高い雪の山（左下写真）が残っている状態である。

諦めてビジターセンター内を見学して、宿泊予定の檜原湖湖畔のホテルに向かう。檜原湖も湖上に水路はあるものの厚い氷で覆われている。周遊のドライブコースの両側は雪、従いドライブも中止。午後２時前にはホテルにチェックイン、温泉を楽しむことに…。

部屋や露店風呂から見える檜原湖もなかなかいいものだ。夏や秋はきっと最高に素敵だろう。途中の高速道で十分に桜を楽しんだので、初日の行動予定は温泉で終わり！　あとはビールを飲みながら料理を味わってまた温泉。翌日は数１０年前に訪れた会津の鶴ケ城へ。

途中、除雪はしてあるが雪の山道を走り続けて会津若松市内へ入る。　お天気はご覧の通り、素晴らしく良い。観光協会のサービスで重い兜を被ってみたり、刀をぶら下げてみたり、城内を散策。

同じ旅行に行くならと、昨年に引き続き東北応援ミニ旅行にした。貧乏人だから大金は使えないが、気持ちだけでも…。少し高いがあちこちでつまみ食いをしたり駐車料金を払ったり…。そんな心も豊かに、城内からの街並み（右の写真）を眺めた後は、会津盆地のど真ん中を走る縦貫道（無料）から幾山の峠を越えて、有名な会津西街道を上り大内宿へ。茅（カヤ）葺き集落が残る昔の宿場町。木曽の奈良井・馬篭・妻籠の宿場町とは、かなり趣の異なる宿場町である。 昔の面影を残しつつ生活（商売）

をしている現代の様子がうかがえる。山から大量に流れる雪解け水で小型水力発電をし、町の提灯（実際にはない、街路灯があっては困る風景だが…）でもを点せばいいのに…と、有効利用が気になる「自称・発明家」である。

会津西街道をさらに上る（地形的には、下り方向）と、地域に似合わないモダンな電車が湯野上温泉駅を出る。この駅は日本で唯一茅（カヤ）葺きの駅舎だそうだ。地域にはぴったりのもので風景に馴染んでいる。（下の写真）

旅行者が写真を撮りやすいように、駅の前を走る国道脇の大きな杉の木の枝が払ってあるのも観光協会の心遣いだろう。道路の法（のり）には、片栗の花や一輪草の群生も見られる。時期的には心もち遅い感じがする。

周辺の桜は大部分がまだ固い蕾である。会津の盆地の風が吹き抜けない建物の傍の南面では７～８分、場所によっては満開に近くなっている。

やはり、関東に比べて東北の春はかなり遅い。

さらに西街道を上ると、

「塔のへつり（岪）」と言われる一種の奇岩地域がある。何万年もの自然の営みが素晴らしい景勝を作ったものと感じられる。この景勝を楽しんだ後、近くの土産店で無料の美味しい山菜入り味噌汁を戴きながら、土産物を物色している間小雨がパラついていた。雨も止んで自宅を目指している間、何度も小雨が降ったり止んだり。帰路は一般道でのんびり桜を楽しみながらだが車の流れはスムースで、当初の予定より２時間も早く到着。通行料が浮いた分で家から数Ｋｍのレストランに立ち寄り、しっかり夕食をして帰宅、楽しい２日間のミニ旅行も終わった。